フリーランス、個人事業主として、自分の名前をただ「知ってもらう」だけでは、顧客に正当に評価してもらうことは難しいです。競合がひしめく中で選ばれるためには、「パーソナルブランディング」を磨いていく必要があります。
パーソナルブランディングは、自分自身の価値観や実績を発信し、他者との差別化を行い、信頼を得ることを目的とした活動です。この活動を通じて自分自身をブランド化していきます。
自分自身を商品と考えた時、スキルやノウハウを、しっかりと顧客に伝えていかなければ、何ができる人なのか理解してもらえません。日本人の奥ゆかしさで、「自慢はしたくない」と思っていると、顧客に正当に評価してもらうことができません。
いわば、フリーランス、個人事業主にとって、パーソナルブランディングは必須の活動です。
パーソナルブランディングで、あなたの価値を見えるようにする
中小企業やフリーランスの方のお悩みで、「価格交渉ができない」というものがあります。言い値でやっているという方も多いのでは。
インターネットによって、全国、全世界の同業者がライバルになりました。あらゆる分野で競争が激しくなり、選ばれるのが難しくなっています。
しかし、簡単に情報発信ができるようになり、逆に、「あの人から買いたい」と、値段も聞かずに選ばれるケースも増えています。なぜか?
選択基準が「何を買うか」から「誰から買うか」に移っているからです。
個人が大企業と同じ土俵で闘える!?
限られた人しか情報発信ができなかった時代、信頼のベースは、大企業にありました。しかし、SNSやブログで誰でも簡単に、そして、ほぼ無料で、情報発信ができるようになると、「個人」も大企業と同じ土俵で闘えるようになりました。
企業に属していようと、フリーランスであろうと、「個人」でブランドを確立し、顧客への影響力を持つ。これが、パーソナルブランディングです。
このコラムでは、パーソナルブランディングとは一体どのようなものなのか? どうすれば効果的に自分ブランドを確立し、単価を上げても選ばれる存在になれるのか? など、基本から、具体的な実践方法、成功事例までを詳しく解説します。パーソナルブランディングの重要性とその効果的な活用法を学んで、ビジネスを一歩先に進めてください。
ブランディングとは?
ロゴマークを作ったり、店舗や服装を変えて「自分をよく見せる」ことがブランディングではありません。
ブランディングとは、自社の商品やサービスが「差別化された独自のもの」で「他社と何が違うのか」を認識してもらうための活動のことを言います。
ブランディングとマーケティングの違い
ブランディングとマーケティングは、似ているようで違います。
■ブランディング:企業、商品やサービスのイメージを高めるための活動
■マーケティング:商品やサービスを効率的に売るための活動
このように定義されていても、違いがわかりにくいですよね。
マーケティングは、「マーケティングの4P」に代表される、『どんな商品(Product)をどんな価格(Price)で、どのような流通チャンネル(Place)を使い、販売促進(Promotion)するか?』という、どのように効率良く売るかという活動です。
一方、ブランディングは、商品やサービスのイメージを高める(自社の独自性、同業他社との違いを際立たせる)ための活動です。
「他とは違いますよ」という目印が、ロゴマークであり、店舗デザインであり、スタッフの服装なのです。
パーソナルブランディングとは?
パーソナルブランディングとは、あなた自身を「ブランド」として位置づけ、あなたの独自性、他との違いをターゲット顧客に浸透させる活動を言います。
私たちは日々、多くのブランドに接しています。例えば、AppleやNikeのような企業は、商品だけでなく、ブランドが持つ独自性や他とは違う価値観によって多くの人々に愛されています。
個人でも明確なブランドイメージ(ライバルとの違い)を発信することで、顧客の信頼を得ることができます。
もし、あなた自身が、差別化されたブランドとして認められたら、販売価格はあってないようなものになります。あなたは、顧客に胸を張って、こんなことが言えますか?
「売っているものは同じです。ただ、売っている人が違います」
「パーソナルブランディングが確立している」とは、このように顧客に伝えて、「ぜひ、お願いします」と購入してもらえる状態のことを言います。
パーソナルブランディングのための事前準備
「あなたは他の人と違う」と顧客に思ってもらうために、以下の基本要素を明確にしていきます。
あなたの強みは?
パーソナルブランディングの第一歩は、自分自身の強みや特性を理解することからはじめます。自分がライバルと、どう違うのか? どんな価値を提供できるのか? を明確にしていきます。ぜひ、下記の問いの答えを考えてください。
■顧客にどのような価値を提供しているのか?
■販売している商品・サービスは何なのか?
■あなたが行っている商売で、社会にどんな貢献をしているのか?
ターゲット顧客は誰?
自分の違いを、どのようなユーザーに知ってもらいたいのかを明確にしていきます。ターゲット顧客を理解し、そのニーズや関心に応じたメッセージを発信していきます。ぜひ、下記の問いの答えを考えてください。
■どんな顧客が、あなたの違いに惚れ込むのか?
■どんな顧客が、あなたの違いに価値を感じるのか?
■どんな顧客が、あなたの違いに共感をするのか?
何によって、あなたを知らしめたいか?
ブランドを確立するためには、顧客に一貫したメッセージを発信する必要があります。ブログ、ソーシャルメディア、Webサイトを通じて、メッセージやブランドストーリーを伝えていきます。ぜひ、下記の問いの答えを考えてください。
■あなたが商売を通じて目指す姿はどのような姿ですか?
■あなたが顧客に共感してもらいたいのは、どんな理念ですか?
■顧客にこれだけは知っておいてもらいたと思う、あなたが提供できる価値は何ですか?
パーソナルブランディングのメリット
パーソナルブランディングを確立することで、以下のようなメリットが得られます。
信頼の構築
一貫したブランドイメージが浸透することで、顧客からの信頼を得やすくなります。信頼は、顧客との関係を築く上で非常に重要です。
差別化
市場には多くのライバルが存在します。独自のブランドを持つことで、顧客が違いを理解できるようになります。これによって、あなたを選ぶ理由が明確になります。
価格競争からの脱却
明確なブランド価値によって価格競争に巻き込まれなくなります。これにより、単価を上げても選ばれる存在になります。
パーソナルブランディングは、一朝一夕で築けるものではありません。しかし、時間と労力をかけてブランドを育てることで、長期的な成功を手にすることができます。
パーソナルブランディングの具体的な実践方法
パーソナルブランディングを確立するための効果的なステップを紹介します。
Step1 自己分析とブランドステートメントの作成
①自己分析:自分の強み、スキル、価値観、情熱を明確にします。自分一人で考えるのでなく、信頼できる人から意見を聞きながら、特徴や強みを洗い出していきます。
②ブランドステートメントの作成:自分の強みと価値を簡潔にまとめた一文を作成します。
Step2 ターゲット顧客の設定
①リサーチ:ターゲット顧客のニーズ、関心、課題を理解するためにリサーチを行います。
②ペルソナの作成:理想的な顧客像(ペルソナ)を設定し、そのペルソナに向けたメッセージを作成していきます。
Step3 一貫したメッセージの発信
①ソーシャルメディアの活用:ソーシャルメディアを使い、自分の専門知識や価値観を発信していきます。定期的に価値あるコンテンツを投稿し、フォロワーとのエンゲージメントを高めていきます。
②Webサイト・ブログの活用:SNSはフロー型、Webサイト・ブログはストック型に分類されます。ブランティングのためには、ストック型の個人サイトを立ち上げることは有効です。Webサイト・ブログを作成し、自分のプロフィール、ポートフォリオを更新していきます。SEOを意識したコンテンツを作成し、検索エンジンからの露出を高めます。
Step4 コンテンツマーケティングの実施
①ブログの運営:ターゲット顧客が関心を持つトピックのブログ記事を定期的に投稿していきます。記事内で自分の専門知識をアピールし、信頼性を高めます。
②リードマグネットの提供:eBook、ホワイトペーパーの提供。無料ウェビナーの開催など、価値あるコンテンツを提供し、見込み顧客の連絡先を収集します。
Step5 データ分析と戦略の最適化
①データ分析:Google Analyticsやソーシャルメディアのインサイトツールを使って、マーケティング活動の効果を測定します。トラフィック、エンゲージメント、コンバージョン率などの指標を定期的に確認します。
②戦略の最適化:データに基づいて、成功している施策を強化し、効果が低い施策を改善または停止します。定期的にブランドメッセージやコンテンツの更新を行い、常に最新の情報を提供します。
繁盛ホームページ【9日間プログラム】
パーソナルブランドを構築することで、ライバルから頭ひとつ抜け出すことができます。ただ、競合他社とどう差別化するのか悩まれている方も多いはず。どのように差別化していくか、もう少し詳しく知りたい方は、ぜひ、繁盛ホームページ【9日間プログラム】にチャレンジしてください。
あなたを際立たさせる個性を発見できるはずです。